【おみくじ凶】の意味や対処法って?引いたら結ぶ?持ち帰る?

神社にお参りしたときの楽しみといえば「おみくじ」ですが、もしも「凶」が出てしまったら…?おみくじの凶の意味、凶が出る確率、引いてしまった場合の対処法、凶が出やすい&存在しない神社など、おみくじ「凶」にまつわるアレコレをご紹介します。凶を引いたからと、落ち込む必要はないかも!

おみくじの凶はどんな意味?

おみくじの吉凶の基本

一般的におみくじは「大吉」「吉」「中吉」「小吉」「末吉」「凶」「大凶」の順に運勢が良いとされています(神社仏閣により「吉」と「中吉」の順番が異なる場合や、「平」などの運勢が入っている場合もあり)。

〈おみくじの運勢の意味〉

  • 大吉…最も良い運勢。今までの行いが報われ、良い便りがある。
  • 吉…大吉の次に良い運勢。たゆまぬ努力は続けるべき。
  • 中吉…吉の半分の運勢だが、良いことに変わりない。
  • 小吉…小さい吉。中吉をさらに割った運勢。
  • 末吉…吉の末(=最後)にあたる運勢。
  • 凶…良くない運勢。何か新しいことを始める際は注意が必要。
  • 大凶…凶よりさらに悪い運勢。おみくじの中で最も低い順番。

凶に隠された意味

神社に行って凶や大凶が出たら結構ショックですよね。それが新年一発目の運試しや、受験や大事な出来事の前であれば尚のこと。数日気持ちを引っ張ってしまうかもしれません。

しかし、凶や大凶が出たからと言って、必要以上に落ち込む必要はありません。とある神社の神主さんによると、凶が出るのは幸運の前触れでもあるそうです。

「凶」という漢字は「凵」と「メ(=芽)」に分けることができます。メは上に成長するもので、「凵」には上を遮るものがありません。したがって凶が出たときは「物事の伸びしろがある」と受け取れるわけです。

ですから、例え凶が出ても「今できることを頑張ろう」とポジティブに考えましょう!

凶が出る確率ってどれぐらい?

結論から言うと、「凶」が出る確率はおよそ10~20%です。

しかしこれには神社によってバラつきがあり、多いところでは約30%の確率で「凶」が出る可能性があります。というのも、おみくじの吉凶の割合は各神社が自由に設定することができるからなのです。

一般的な吉凶の確率は、おみくじのルーツの「元三大師御籤帳」という書物に定められた「吉35%、凶29%、大吉16%、その他20%」を参考にしている神社仏閣が多いです。そのため、元三大師御籤帳をそのまま使用すると「凶」が約3分の1の確率で出る、ということになります。

ところが、現代はおみくじを旅行や初詣の際に「一種の楽しみ」として引くことが多いので、神社側が配慮して「凶」の割合を低く設定しているところが多いそうです。せっかく遠くから時間をかけて訪れたのに「凶」ばかりではテンションも下がってしまいますよね。

なので、実際に「凶」が出る確率は10~20%くらいだと推測されます。

凶を引いたらどうすればいい?結ぶ?持ち帰る?

凶のおみくじは「縁起が悪いから結んで帰る」人が多いかもしれませんが、実はそれが正解というわけでもありません。凶を引いた場合の対処法をいくつか紹介するので、自分が納得できる方法を試してみてくださいね。

神社に結んで帰る

凶のおみくじを結んで帰ることで、悪い運を神社に結び付ける効果があります。神社によって結び掛けが用意されている場合があるので、その神社の指示通りにしましょう。決して境内の木に無許可で結んで帰ってはいけません。

また凶が多いと言われる鶴岡八幡宮では、凶運みくじを入れる箱が用意されていて、隣に置いてある「矢鏑(やかぶら)」を掴むと強運へ導いてくれるというありがたい弓矢があります。もし自分が凶のおみくじを持ち帰りたくないならば、神社の方法に従って結んでくると良いでしょう。

持ち帰って時々見返す

おみくじは神様からのメッセージ。吉凶などの運勢よりも、そこに書かれている内容が重要なのです。その内容をしっかりと読み、持ち帰って時々見返すのもおすすめです。凶が出たら運勢が下がるというものではありませんので、常に持ち歩いても大丈夫。お守り代わりとして身に付けたり、おみくじの内容をメッセージとして受け止め、頑張るための指針として時々見返すのが本来のくじの意味でもあります。

どうしても気になるなら日を改めて引き直す

それでも気になって夜も寝られない…。そんな状態ならいっそ引き直してしまうのも手です。引き直しはNGではありませんし、問題もないんです。ただし、前に引いたおみくじはゴミ箱に捨ててしまうのではなく、きちんと結んで来るようにしましょう。あの有名な戦国武将・明智光秀も、本能寺の変の前に凶を引いてしまい何度も引き直した、というエピソードがあるんですよ。

凶ばかり引くのは縁起が悪い?

凶ばかりでも縁起は悪くない

おみくじを引いて凶だった場合「何か悪いことが起こる前兆?」と不安になる方がいるかもしれません。しかし、結果が凶だからといって縁起が悪いということはないのでご安心下さい!おみくじとは神様からのお告げを可視化したものです。神様が「今はこれをすべきでない」と道を教えてくれているものなので、おみくじの結果が縁起の良し悪しを決めるものではありません。

おみくじで凶が出たとしても自分の努力と、神様が教えてくれた指針をもとに過ごせば運が開けていくはずです。

おみくじで凶が出やすいとウワサの神社

先ほど「凶」が出る確率はおよそ10~20%だと紹介しましたが、これも神社によって確率はバラバラです。なぜなら、おみくじの吉凶の配分は各神社で自由に設定できるからです。ここでは、凶が出やすいとウワサの神社をいくつかまとめてみたのでご覧ください。

浅草寺(東京都)

東京の観光スポットと言えば浅草寺ですよね。ここは1~100番までの数字が書かれた棒を振って出す「振りくじ」というやり方を採用しています。凶が出る確率は約30%で、日本一凶が出やすい神社とも言われている神社です。

川崎大師(神奈川県)

毎年約307万人が初詣に訪れるという川崎大師。ここで凶を引く確率は約30%。かなり多いですね。川崎大師では、おみくじを「元三大師御籤帳」を基にしているため、高い割合で凶がでるようです。引くときはこころして挑むようにしてください!

今宮戒神社(大阪府)

今宮戒神社のおみくじは50番まであります。そのうちの2本が大吉なのに対し「凶」「半凶」がなんと14本の割合で入っているそう。ここで大吉を引いたあなたは超ラッキーです。運試しに今宮戒神社で占ってみてはいかがですか?

清水寺(京都府)

清水の舞台で有名なこのお寺も凶率が高いことで有名です。約30%の確率で凶が出るとのこと。以前は大凶が含まれていたそうですが、現在では廃止されています。清水寺でも元三大師御籤帳を採用していますので、100番までおみくじがあります。

厳島神社(広島県)

厳島神社のおみくじは40番まであり、吉凶の種類が10種類もあったそうです。そのうち凶と大凶が13本ありましたが、現在は大凶を廃止し、凶が8本のみとなりました。しかし割合的には約20%の確率で凶が出るのでご用心。

おみくじに凶がない神社もある!

反対に、おみくじに凶が入っていない神社も実は存在します。絶対に凶を引きたくない!というときは、これらの神社に行くのもひとつの手ですね。

熱田神宮(愛知県)

天皇家の3種の神器の一つ「草薙の剣」を保管している由緒正しい神社です。新年には初詣に訪れる人で大変賑わいます。熱田神宮では、おみくじの中に凶がありませんので安心して引くことができますね。また、あまり見かけない「半吉」が入っているようです。

靖国神社(東京都)

靖国神社には普通タイプのおみくじ(200円)と、幸福を招く桜みくじ(300円・ミニお守り付き)の2種類があります。英霊が眠る場所として有名なこの神社には凶が含まれません。東京観光の際に訪れてみてはいかがでしょうか。

熊野那智神社(和歌山県)

熊野那智神社は大きさ133cmの巨大な木筒を振って出すおみくじで有名です。おみくじは全部で20番、その中に「凶」「大凶」は含まれていません。熊野那智神社に辿り着くには、ひたすら参道を歩き、473段の石段を上らなければならないようです!

大洗磯前神社(茨城県) 

大洗磯前神社は「水戸黄門」で有名な徳川光圀が再興した神社です。ここには1~50番までのおみくじがあり、各地でよく採用されている元三大師御籤帳を使用していない独自の神社です。海に面した立地なので、海水浴の際に立ち寄る方が多いそうです。

十日恵比寿神社(福岡県)

恵比寿神社には「50円みくじ」「恵比寿みくじ」「めでたいみくじ」「開運みくじ」という4種類のおみくじがあります。どれも名前からして運が開けそうですね!商売繫盛の神様「えびす様」と良縁の「だいこく様」を祀っています。

おみくじで凶が出ても大丈夫!

おみくじで凶が出た場合の意味と対処法についてまとめました。引いてしまったときはショックですが、凶は決して悪い意味だけではありません。この先の努力次第でいくらでも運勢は変えられます。悪いことは、これから来る幸運の前触れとも言いますので、失敗を恐れず挑戦していくようにしていって下さいね!

参考文献:島武史著「日本おみくじ紀行」ちくま文庫