延命治療の功罪
末期癌の患者には最後にくるのが延命治療をするかどうかの選択です。本人や家族の意思でそうする場合もあるし、そうしない場合もあります。
しかしそれは本人が決めることが大事でそれを尊重するのが家族であり、尊厳を保つとはそういうことであると思います。
ビジネスの現場では、そういう事に出くわしている方々が実は多いのです。
よくあるパターンとして一生懸命仕事しているのに成果があがらない、そういう場合配置転換やクビに追い込むというやり方です。(もちろんそこに本人の意思は反映されておりません)
これはかなり強引な手法です。そしてこのやり方は家族が本人の意思を確認せずに、延命治療をしない選択です。
しかし、おそかれ早かれ死んでしまうとしたら、延命措置が必要かどうかを本人に聞く必要があります。
これはとても勇気がいることですが、本人の尊厳を守るという意味で実はとても大切なことだと思います。
つまりビジネスの場合、出来ない人に対して(末期癌的でどう考えても見込みがない場合)『これからも一生懸命やると言っているが、それをサポートしていくことがあなたに対する延命治療になりますが、したほうがいいか、しないほうがいいかを選んでください。』
というようなやり取りになります。そこで本人が出す結論を尊重すべきであると思います。それが尊厳の遵守であると思います。
延命させることが必ずしも良いわけではなく、本人の意思を尊重した上で決断を下していくことが、組織の違和感をなくして良い方向へ持っていく選択肢でもあるといえましょう。
そして延命治療をしてくださいと言われた場合期限を決めてやればいいことであると思います。
中途半端な愛情を持って無期限の延命治療をしていくことはその人を植物人間にしてしまうということです。
残念ながらビジネスの世界ではきれい事だけですまされる世界ではないのです。成果を上げられないと生き残っていけません。
また管理職はこういう厳しい選択肢を迫られる局面も多いと思います。
できれば考えたくない思考であり方向だと思います。しかしそれを聞くことで意外なリクエストが本人から出てきて両者ハッピーとなることもあります。
コーチングで成果の上がる人は、とても優秀な人であると思います。
世の中そんな人ばかりではありません。こういう厳しい現実もあるということをコーチはしっかり認識していないとビジネスコーチは務まらないでしょう。